杉山利夫 議会発言
平成25年3月議会での質疑内容

新年度予算及び当面の財政運営について

まず、新年度予算及びこれに関連して、当面の財政運営について、市長にお尋ねいたします。

未曽有の大災害となった東日本大震災から、今日でちょうど2年が経過いたしました。

被災地では、いまだ故郷に戻れない、あるいは職を失うといった厳しい環境におかれている方々が数多くおられ、大きな被害を受けた住宅、道路、公共施設などの復旧とともに、平穏な生活を取り戻すべく、懸命の努力が続けられておりますが、今後も復興に向けた、国を挙げての長く険しい道のりが続くわけであります。

加えて、我が国を取り巻く環境は、中国をはじめとする外交問題や、TPP交渉への参加の是非、さらには長きにわたる経済不況からの脱却など、喫緊の課題が山積している状況にあります。

こうした中、昨年末に行われた衆議院選挙の結果を受け、政権が交代し、震災復興やデフレ脱却などを目的とした、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が実施されることとなりました。

現在のところ、円安株高の流れが見られ、経済再生に対する国民の期待も高まっているようでありますが、一方で、国債残高の増加に伴う国家財政への懸念、さらには少子高齢化の進展に対応した持続可能な社会保障制度の構築など、政権運営の課題は尽きないところであります。

こうした中での本市の新年度予算編成となったわけでありますが、一般会計の規模は1,528億円、国の経済対策に伴う前倒し分を含めると1,552億円と、過去最大規模とのことであります。

税収は前年度に比べ若干増となったものの、先に申し上げた経済不況や少子高齢化の状況により、生活保護をはじめとする扶助費は、高止まりはしたものの、依然、歳出の大きな割合を占めており、さらに岐阜大学医学部跡地におけるぎふメディアコスモスの整備など、大規模な財政需要を必要とする事業も進めていかなくてはならず、過去最大規模の予算編成が、財政上無理のないものなのか、若干懸念されるところです。

一方で、こうした状況を見据えてのことか、新年度当初予算及び平成24年度3月補正予算において、財政調整基金や教育施設整備基金などへの積立が計上されています。
本市はこれまでのところ、健全財政を維持している状況でありますが、先行き不透明な国内情勢の中で、目下の財政状況、また今後の財政運営見通しをどのように考えられ、予算編成にあたられたのか、市長の所見を伺います。


電子黒板とデジタル教科書の活用について

新年度「W豊饒W人間主義都市」を掲げ、教育を政策のその3本柱の一つとして、教育費も過去最大の196億円を計上し、全予算に占める割合も12.8%と増加しています。

その中で、生きる力をはぐくむ教育「わかる授業、できる授業」の推進のため、ICT教育推進事業として50型テレビの電子黒板化で全小中学校69校、市岐商、特別支援学校の全普通教室、特別教室に1,935台を導入するために3億9千万円、この電子黒板のソフトのデジタル教科書を全小中学校69校に導入するために7千7百万円が計上されています。

新聞などの報道によりますと、この度、導入を計画している電子黒板とデジタル教科書の教育的効果については、大いに期待できるものと感じています。
子どもたち一人一人が持っている教科書と同じものが、デジタル教科書により、大画面で色鮮やかに見ることができたり、これまで写真でしか見ることのできなかったものを映像で見ることができたりするなど、子どもたちが興味をもって授業に向かうことができるのではないかと思います。興味をもって授業に臨めば、当然、学んだ内容も身に付き、学力の向上も期待できるのではないかと感じています。

また、子どもたちと向き合う時間の確保がむずかしいといわれている先生方にとっても、子どもたちと向き合って学習に取り組む機会が増え、子どもたちとのよりよい関係を築き上げられ、楽しく学習に取り組んでいけるものと期待しております。

一方、懸念されることもあります。
現代の子どもたちは、テレビゲームや携帯電話によるソーシャルゲームなど、いわゆるバーチャルの世界で遊ぶ機会が多くあります。電子黒板・デジタル教科書が学校に導入されるということは、学習の世界にもこうしたバーチャルが入り込むことになるのではないか、そして、先生方もバーチャル映像などを見せるだけで、学習が終わったと考えてしまうのではないかという心配をしています。

さらに、こうした電子黒板やデジタル教科書が進化していけば、これまでのような理科の実験をやること、昆虫や植物の観察をすること、あるいは自分でノートに文字を書いたり、作図したりすることがなくなってしまうのではないかという心配です。

頭の中でイメージすること、手を動かして文字を書いたりすること、実験や観察を行うことこそが、本来の学習であるはずです。

そこで、教育長に3点質問いたします。
1点目は、電子黒板とデジタル教科書の導入により、どのような効果を期待しているのか、また、岐阜市が計画しているようなICTの環境整備を、他の自治体の状況等も踏まえご説明ください。

2点目は、先ほど述べましたデジタル教科書等の導入により、心配される事柄について、どう考え、どう配慮されるのかお答えください。

3点目に、前の質問にも関連しますが、岐阜市は理数系教育のSTEM教育の導入、英語教育の拡大、コミュニティスクールの拡大等多岐にわたって教育環境の改善に取り組んでおられます。今回の電子黒板とデジタル教科書導入についても「一気に導入することで全教師が同じように使いこなせるかなど課題がある」という指摘もあります。これら教育全般の環境の変化が、現場の先生や子ども達に、負担やストレスにならないか若干不安に感じるところもあります。この課題をどう克服していこうと考えておられるかお答えください。

以上3点、教育長にお願いします。


「みんなの森 ぎふメディアコスモス」について

先の松岡議員からも、ご質問がありましたが、新聞報道にもありました、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の建設主体工事の入札不調について、いくつか、これまでの確認も含めてお尋ねいたします。

今回生じました事態は、新聞にも報道されたことから、私自身も多くの市民の皆さんから、いろいろ尋ねられました。

市民の皆さんの中には、開館を待ち望んでいる方、疑問を抱いておられる方双方の方がいらっしゃると思います。

その中でも、双方からいただく素直な意見として、
「入札不調とはどうなっているのか?デザインが重視されていることが要因ではないのか?」といった意見が、多く寄せられております。

そこで、ここまで進んでいる事業ではありますが、確認の意味も含め、まず3点につき都市建設部長にお尋ねします。

1点目、昨年、耐火性能に係る大臣認定に際して、多くの時間を要し、当初のスケジュール変更があった中で、また、今回の事態が生じたわけですが、このようなことに対して、設計者の責任ということについてお尋ねします。

2点目、今回の設計者は、資質評価に重点を置いた公募型プロポーザル方で
選定がなされています。最終選考は、じゅうろくプラザにおいて公開で催され、会場に入りきれない程の多くの方々がお見えになりました。
このように、非常に大きな注目を集めた中で、選定されたわけですが、このような事態の中では、「地元にも優秀な設計士はいるのでは?」とおっしゃる方もいます。そこで、今回の事態の発生を踏まえ、設計者選定についてどう思っておられるのか、確認の意味も含めお尋ねいたします。

3点目、屋根構造が木造であり、今回の施設の大きな特徴となっていますが、県産材のヒノキを素材として使用されるとのことですが、耐用年数はどのくらいと考えられるのかお尋ねいたします。

次に、今回の不調は、工期、技術的な問題、工事価格といったいくつかの要因が考えられる中で、工事価格が大きな要因であるとのことです。そして、その内容及び対応については、調査検討中ということですが、一方で、建築を取り巻く環境、いわゆる建設市場を考える必要があると思います。
昨年末の自民党政権の復活以来、全国的に13兆円を超える補正予算による公共事業の復活、東日本復興の本格的始動、また東海地区では名古屋駅周辺の高層ビル建設計画など、急速に建築需要が高まっている状況を見逃すわけにはいけません。
ここ10数年の建築需要の減退により業界が大きく縮小してきたことから、急な需要増には対応できないのではないか、買い手市場から売り手市場になり下請を含めた企業は、今までのようなコストを切り詰めた受注ができないのではないか。
企業として少しでも有利な受注を優先するのではないか等の状況変化が懸念されるところです。
このような状況下、すなわち今後一層、資材調達、労働力の確保が大きな変化要因と考えられる中で、今回の入札不調ですから、私どもとしても今後の対応に対して十分注意を払わなければならないと考えます。

以上の点から2点、お尋ねいたします。
1点目、今申し上げた建築を取り巻く環境の変化への対応も含め、工事の予定価格は変更するのですか、または設計の変更、修正を行うことによって価格を抑えることとなるのか、新たに設定する予定価格はどのように考えておられるのかお答えください。

2点目、見積価格、予定価格に変更があるとすれば、再度予算についての議会承認が必要になるのか、今後の手続きについて説明をお願いいたします。

以上計5点について都市建設部長にお尋ねします。


連節バスの運行ルート拡大について

岐阜市では、平成22年度から、幹線バス路線の強化策とし、全国でも導入例が少ないBRTの導入を進めておられます。特に連節バスについては、全国4番目、首都圏以外では初の導入と、注目を集めました。

当初の導入の際には、本議場において導入の是非が議論され、導入の効果や長さ18mの連節バスの走行に対する交通安全上の不安などもあり、総務委員会の付帯意見が付けられ、予算が認められた経緯がありましたが、今では忠節橋通りを事故もなく安全に赤い連節バスが運行されています。

また、昨年には、ぎふ清流国体・清流大会の開催に合わせ市内循環ルートにも導入され、国体の観客や関係者などの輸送にも寄与したとの報告を担当部局から聞きました。
この議会に、長良橋通りへの連節バスを2台導入するための補助予算が計上されています。長良橋通りは、市内でバスの利用者が最も多いと聞いており、導入の必要性も感じております。

しかしながら、長良橋通りの長良北町から下岩崎までの区間は道路の拡幅がされておらず、片側1車線しかないため、普段でも混雑する道路でもあります。
私は、連節バスの導入に反対するものではありませんが、長良北町から下岩崎の道路状況を考えると現在でも交通量が大変多く、連節バスを導入すると更に混雑に拍車がかかるのではないかと心配をしております。

そこで、BRTの拡大について、企画部長に以下の質問をさせていただきます。

1点目は、今回計上されているBRT関連の予算の内容についてお答えください。

2点目として、今回の連節バスはどのように運行するのか。その概要について、お尋ねいたします。

最後に、今回の導入でどのような効果を期待しているのか

以上3点についてお尋ねいたします。

岐阜市長良川鵜飼伝承館の運営について

昨年の8月にオープンした岐阜市長良川鵜飼伝承館(愛称:長良川うかいミュージアム)は、岐阜市が誇る文化資産である“長良川鵜飼”を「護り」「伝え」「広める」ことを設置目的に掲げており、風光明媚な場所として絶好のロケーションである長良の鵜飼屋地区に建設され、今後、様々な賑わいが創出されることを期待されているところであります。

また、毎年行われている“長良川鵜飼”の開催期間に関係なく、1年を通して鵜飼の魅力を広く発信し、岐阜市民の皆さんにはもちろんのこと、全国各地のより多くの人たちに鵜飼について触れていただくことが、この施設の重要な役割の一つでもあります。

その長良川うかいミュージアムには昨年8月の開館以降、多くの来館者が訪れたことだと思いますが、開館初年度ということもあり、施設を運営していく上で様々な課題も挙げられていることだと思います。
私も何度か来館させてもらいましたが、そこで実際に感じたことなどを踏まえ、以下4点、長良川うかいミュージアムを所管する商工観光部長にお尋ねします。

1: まず初めに、今年度の長良川うかいミュージアムの有料展示室に対する来館者目標は101,660人だと伺っておりますが、オープンした8月から 2月までの実績と3月までの見通し、また長良川鵜飼終了後においても活用を期待した施設ということですが、鵜飼シーズンとオフの来館者についてもお聞かせください。

2: 次に、長良川うかいミュージアムにある有料駐車場は30分につき100円ですが、「駐車するのに料金が要るのか」という声をよく聞きます。またこの駐車場は、入場ゲートをくぐった瞬間から課金されます。この施設を利用されない方の駐車を防止するためではあるでしょうが、例えばレストランに行くつもりで駐車したが、満席で利用できなかった場合にも100円が必要です。この施設へ気軽に訪れる人たちを増やしていくためにも、駐車場のあり方を改めて考える必要があるように思います。駐車場料金に対する今後の取り組みをお聞かせください。

3: 3点目ですが、鵜匠さんによる水槽を使った『鵜飼の実演』や『鵜飼の説明』は現在、毎週日曜日を基本に開催されています。鵜飼のオフシーズンにこのような催し物が見学できることは大変良いことだと思いますが、この『鵜飼の実演』や『鵜飼の説明』は有料展示室の入館料500円とは別に、大人ですと一人300円が家庭の日を除き必要となっています。折角この施設に来ていただいた方には、是非ともご覧いただきたい催し物です。例えば『展示室をご覧いただいた方は無料で見学できる』というようなことは、検討できないのでしょうか。

最後に、公共交通機関を利用して来られる方々の長良川うかいミュージアムまでの案内表示についてですが、当施設の最寄りのバス停となる「鵜飼屋」からの動線案内が少なすぎるように思います。今後の対応策があればお聞かせください。